ハチの種類と巣の見分け方
身近で巣を作る蜂は、大きく分けてスズメバチ・アシナガバチ・ミツバチの3グループです。蜂の姿を近くで確かめるのは危険なので、この記事では離れて見える巣の形を中心に見分け方を紹介します。
スズメバチの巣:しま模様の外皮で包まれた球状

スズメバチの巣は、木の皮をかみ砕いて作ったしま模様(マーブル模様)の外皮で全体が包まれ、下のほうに出入口が1つだけあります。大きく育つとバレーボールより大きくなり、中には数百〜千匹を超える蜂がいることもあります。
外から巣が見えないケースも多いのがスズメバチの特徴です。屋根裏・壁の中・床下・土の中に巣を作る種類がいて、「巣は見えないが、同じすき間から蜂が出入りしている」という状態なら、スズメバチを疑ってください。
コガタスズメバチの初期の巣:とっくりを逆さにした形
春から初夏にかけて、女王蜂が1匹で作り始めた巣は、とっくりやフラスコを逆さにしたような形をしています。この時期はまだ小さく蜂の数も少ないため、駆除の負担も軽く済みます。働き蜂が増える夏以降は、外皮が広がって球状になります。
土の中の巣:地面の穴から蜂が出入りする
地面の穴や木の根元のすき間から蜂が出入りしている場合は、オオスズメバチ(またはクロスズメバチ)の巣の可能性があります。草刈りや畑仕事の最中に踏んでしまう事故が多く、振動で大量の蜂が一斉に出てくるため非常に危険です。
アシナガバチの巣:六角形の穴が見えるシャワーヘッド状
アシナガバチの巣は外皮がなく、六角形の穴(巣穴)がむき出しになったお椀やシャワーヘッドのような形です。1本の柄で軒下や枝にぶら下がっています。大きさは手のひら大くらいまでが多く、スズメバチほど大きくはなりません。
アシナガバチは毛虫などを捕まえるため、庭の害虫を減らす役割もあります。人が通らない高い場所なら様子を見る判断もありますが、洗濯物を干すベランダや玄関の近くにある場合は、刺される前の駆除をおすすめします。
ミツバチの巣:板状の巣が何枚も並ぶ
ミツバチは板状の巣(巣板)を何枚も平行に並べるのが特徴で、壁の中や床下、木の洞など閉じた場所に作ります。春から初夏には、巣分かれした群れが木の枝などに塊になって集まる(分蜂)ことがあります。分蜂の群れは数日で新しい住みかへ移動することもあるため、まずは写真でご相談ください。
壁の中に巣が定着した場合は、蜂を処理したあとに巣板と蜜を取り除く必要があります。蜜が残ると、垂れてきたり別の虫を呼んだりする原因になるためです。
クマバチ:大きくて怖く見えるが、おとなしい
黄色い毛に覆われた丸くて大きな蜂はクマバチです。羽音が大きく怖く見えますが性質はおとなしく、オスには針がありません。基本的には駆除の必要はありませんが、軒の木材や柱に穴を開けている場合はご相談ください。
種類ごとの特徴一覧
大きさは働き蜂の目安です。危険度は、巣に近づいたときの攻撃のしやすさを表しています。
| 種類 | 大きさ | 巣を作りやすい場所 | 危険度 |
|---|---|---|---|
| オオスズメバチ | 3〜4cmほどで国内最大 | 土の中、木の根元、樹木の洞(うろ) | 非常に高い。秋は巣に近づくだけで襲ってくることも |
| キイロスズメバチ | 2cm前後 | 軒下、屋根裏、樹上など。途中で広い場所へ引っ越すことも | 高い。巣が大きくなりやすく、蜂の数も多い |
| コガタスズメバチ | 2〜3cm | 生垣、低木、軒下 | 刺激すると攻撃。初期の巣はとっくりを逆さにした形 |
| モンスズメバチ | 2〜3cm | 屋根裏、壁の中、樹木の洞 | 高い。夜も明かりに寄ってくることがある |
| ヒメスズメバチ | 2.5〜3.5cm | 屋根裏、床下、土の中など閉じた空間 | 比較的おとなしいが、巣に近づくと攻撃 |
| アシナガバチ | 1.5〜2.5cm。細身で脚が長い | 軒下、ベランダ、庭木、室外機のすき間 | 中程度。巣を刺激すると刺す |
| ミツバチ | 1.2〜1.5cm。毛が多く丸い | 壁の中、床下、樹木の洞。春は枝に群れで集まる | 低め。ただし群れに近づくと刺すことがある |
| クマバチ | 2〜2.5cm。黄色い毛の丸い体 | 枯れ木や木材に穴を開けて巣にする | 低い。ほとんど刺さない |
種類ごとの活動時期
山口県東部・広島県西部での一般的な傾向です。気温によって前後します。
| 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スズメバチ類 | ||||||||||
| アシナガバチ類 | ||||||||||
| ミツバチの分蜂 |
季節ごとの注意点は、蜂の巣駆除(スズメバチ・アシナガバチ)の季節別ポイントの記事でも紹介しています。
よくあるご質問
スズメバチとアシナガバチはどう見分けますか?
巣の形で見分けるのが安全です。スズメバチの巣はしま模様の外皮で包まれ、出入口が1つ。アシナガバチの巣は外皮がなく、六角形の穴がむき出しになっています。
クマバチも駆除が必要ですか?
クマバチはおとなしく、オスには針がありません。メスも手でつかむなどしない限りほとんど刺しません。木材に穴を開けることがあるため、建物への影響が気になる場合はご相談ください。
秋に蜂が増えたのはなぜですか?
スズメバチは夏から秋にかけて働き蜂の数が最も多くなり、巣を守る行動も強くなります。9〜10月は刺される事故が増える時期なので、巣に近づかないよう特に注意してください。
巣の形がどれにも当てはまらない、または見えない場合は、危険度チェックで「巣は見えず蜂だけ出入り」を選んでください。